第20話 学園生活第20話 学園生活シンジは多忙だった。 第3新東京市に呼ばれてきて、エヴァのパイロットとして訓練を受けるかたわら、中学2年生として、学校に通わねばならないのであった。 「ネルフとの交渉は、ドクターと和尚に任せたから楽で良いんだけど、これはなあ。」 と、シンジは横を歩く少女に目をやった。 青く輝く銀髪に、赤い瞳の少女。 ファーストチルドレンと呼ばれるシンジのパイロット仲間。 綾波レイが、そこにいた。 メイクプラス 1/1 綾波 レイ 「良いですか、シンジ。あなたのするべき事は、この戦いの最大の犠牲者であり、共に戦う仲間でもある彼女を守ることデス。そのためには・・・、」 「仲良うせな、あかんっちゅうことや!!」 ナーマオウと龍和尚の言葉が耳の奥に甦ってくる。 シンジは、二人の言うことを聞き、レイが登校できるようになってから毎日、家まで迎えに行っているのであった。 このシンジの行動が、クラスメートの男子の反感を買い、未だに打ち解けて話す相手も出来ずにいた。 が、しかし、 「怪我した女の子の力になってやるのは男として当然の事やろ!!!」 と、言う和尚の言葉には、シンジとしても異存はなかった。 問題は、シンジにとっては、鞄を持ったり、送り迎えしたりする労力よりも、毎日女の子と一緒に登校することの恥ずかしさの方が拷問に近いという事だったが。 しかし、素直な性格のシンジは、二人にからかわれているとも知らずに、毎日の学校の行き帰り、訓練のために通っているネルフ本部への行き帰りの間、ずっとレイと一緒に行動していたのであった。 更に、レイが一人暮らしと分かってからは、必ず夕食にご招待するようになっていた。 ちなみに、シンジ宅の食事は当番制で、シンジ、和尚、ナーマオウが交代で作っている。 意外や意外!龍和尚は中華料理を始めとした様々な料理をこなす鉄人であった!! 当然、料理長は、龍和尚!メインの夕食担当。 ナーマオウはパンを焼くしか能がないので、主に朝食担当。 龍和尚仕込みのシンジは、レパートリーは少ないものの、器用に料理を作れるので、昼食つまりお弁当担当であった。 毎朝、4人分の弁当を作ってから登校していた。 ちなみに、レイの分のお弁当も和尚の命令で作らされているのは、お約束。 食事のあとは、毎晩シンジがレイの家まで送って行くことが日課となっていた。 これも、当然、和尚の作戦なのだが、やはりシンジは気付く気配もなかった。 この強引な作戦によって、流石のレイも徐々にシンジ達に馴染んではきたのだが、未だに自分から話しかけるような行動は見られなかった。 続く |